◎ 2015年1月28日 (水) イスラム国問題の落し所
米国のように気に入らない国をことごとく潰していけば、世界から市場が消え失せ、米国も貿易相手国が減り、国内経済低迷を招く事になる。
現在のイスラム国は、まだ、イスラエルに隣接していないから、存続しても外交問題は生じない。
カリフ制を止めさせ、国政選挙のある民主国家になる事を条件にイスラム国を国として認めるのが落し所ではないか。
イスラム国は、元はイラクのアルカイダ系過激派であり、NATOによるイラク空爆後、スンニ派からシーア派に政権が移った後、職を追われたスンニ派の元高官達が合流してシーア派政権と戦っていたのが、シリア内戦に乗じてシリアにも勢力を拡大したものだ。
そのため、シーア派対スンニ派の色調も強く、弱体化したスンニ派の建て直し勢力とも言え、ただの国際テロ組織とは言い切れないという事だ。
スンニ派信者の中には、その地域が軍事的に安定したと考えている人もいるそうだ。
残忍な面もあるが、交渉次第では国家としてやっていける可能性はあるのではないか。
シリア難民は、現在1200万人とされ、いつまでも戦闘を続けられるものではない。
◎ 2015年1月28日 (水) 強権統治
「2015年1月25日 (日) 司法崩壊」にも書いたが、自民党がメディア統制を行っているようだ。
シャルリ・エブド襲撃事件においても、これと類似の朝日新聞阪神支局襲撃事件の話題が再燃してもおかしくはなかったが、なぜか、どのメディアも触れることが無かった。
朝日新聞襲撃犯は、まだ捕まっていないにも拘らずだ。
これも、メディアが自粛したのではないか。
なぜ、各メディアが、朝日新聞襲撃事件掲載を忌避したのか、その理由を知るためには、先ず、事件そのものについて調べる必要がある。
この先の推論は、証拠も根拠もない上に荒唐無稽な結果になるから、あまり信じないようにしてもらいたい。
ウィキペディア「赤報隊事件」によると、朝日新聞襲撃事件は、赤報隊が起こした数々の事件の内の一つである。
朝日新聞東京本社襲撃事件
朝日新聞阪神支局襲撃事件
朝日新聞名古屋本社社員寮襲撃事件
朝日新聞静岡支局爆破未遂事件
中曽根康弘・竹下登両元首相脅迫事件
江副浩正リクルート会長宅銃撃事件
愛知韓国人会館放火事件
とあり、どれも、赤報隊による犯行声明が出ている。
最後の放火事件を除き、1987〜88年に起こった。
87年には、皇民党事件も起こっていた。
これは、竹下登が、首相になる時に、右翼団体から誉め殺しを受けたものだ。
ウィキペディア「皇民党事件」によれば、誉め殺しの理由は、竹下が分派して経世会を立ち上げたのが不義理だったからとされている。
しかし、竹下が首相になる事と経世会旗揚げは関係ないから、後付けの理由としか思えない。
この時、首相の座を争ったのが、安倍晋太郎と宮沢喜一とされている。
自民党は、東京佐川急便社長を介して、稲川会会長に誉め殺しを止めさせてもらった。
また、88年には、リクルート事件が発生した。
ウィキペディア「リクルート事件」によれば、江副がリクルート・コスモス社株を政官界に贈賄した事件だ。
ウィキペディア「東京佐川急便事件」によれば、92年には、金丸に東京佐川急便からの5億円融資が発覚し、度重なる不祥事に自民党55年体制が終わる。
この内、朝日新聞襲撃事件に関係がありそうなのは皇民党事件だ。
竹下の首相就任妨害が目的だったとすると、中曽根・竹下脅迫が赤報隊事件の真の目的になる。
朝日新聞襲撃・その他は、カムフラージュではないか。
2009年に赤報隊事件の実行犯が、週刊新潮に名乗り出て真相を記事にする。
これには、実行犯の名は、元右翼の島村征憲で、駐日米大使館の佐山に頼まれ、知り合いの数人の暴力団員に車の運転と見張りをしてもらい、金が欲しくてやったとあるらしい。
犯行声明は、右翼の野村秋介に書いてもらい、共犯者が自殺したから真相を話そうと思ったそうだ。
ウィキペディア「野村秋介」によれば、野村は、5・15事件実行犯の一人の三上卓の弟子で、1993年に朝日新聞社で自殺したそうだ。
この後、島村は、記事の内容は全て嘘だったと告白し、2010年に北海道で白骨化死体として発見される。
遺体は、発見の一ヶ月後に道警から自殺として発表されたらしい。
この記事には、明らかな虚偽も含まれるため、信じている人もあまりいないらしいし、島村が事件後いつまでも口封じのため殺されなかったのも不可解だ。
それよりも、これだけ大きな事件、かつ何度も襲撃したにも拘らず、警察が犯人を誰一人捕まえられなかった事の方がよほど不可解で重要ではないか。
何らかの圧力が警察に掛かったと考えるのが自然ではないか。
岸信介は、東京裁判でA級戦犯の容疑者となるが、無罪判決になり、新日米安保条約を強行した。
第二次安倍内閣が発足した衆院選挙直前に、米国のヘッジファンドによって日本株高が演出される。
仏のシャルリ・エブド襲撃事件は、襲撃予告がされていたにも拘らず、襲撃は成功し、その結果、仏は中東に原子力空母を派遣した。
日本政府は、二人も日本人が人質になっているにも拘らず、対イスラム国支援を申し出た結果、マスコミは、「イスラム国、日本を標的」と書き立てた。
この一連の動きは、米同時多発テロ事件の経緯にも似てやしないだろうか。
米と日、米と仏を繋ぐ細い糸が見え隠れしているように思われる。
ただし、安倍首相が米国と繋がっていると言っているわけではない。
首相周辺の人々については分からないが。
真相がどうであれ、日米仏において、政権を非難する(左翼)メディアは、極めて危険な事をしていると思わざるを得ない。
エスタブリッシュメントは、政・法・官・財・大手メディアを完全に支配している。
朝日新聞やシャルリ、JFKを見れば、それが分かる。
彼らを潰すのが真の目的でないにしても、ついでに厄介払いされている。
「連載・『赤報隊』と『日本民族独立義勇軍』A」(http://blog.livedoor.jp/the_radical_right/archives/52153012.html)
「読書感想日記⊂二二二( ^ω^)二⊃」(http://blog.livedoor.jp/santama55/tag/%E9%87%8E%E6%9D%91%E7%A7%8B%E4%BB%8B)
「謎呼ぶ朝日阪神支局襲撃犯名乗った男自殺?」(http://blog.goo.ne.jp/gooyuhueriami/e/324980de1615a3a17d458939d6ced3eb)
「『報道ステーション』ディレクター自殺で飛びかう原発“謀殺”説の真偽」(http://lite-ra.com/2014/09/post-451.html)
「日本人がテロとの戦いに組み込まれる可能性 塩尻宏・元駐リビア大使に聞く(後編)」(http://toyokeizai.net/articles/-/58905)
「イスラム国人質事件で新聞各社が“安倍批判”自粛!? 露骨な擁護記事も登場」(http://lite-ra.com/2015/01/post-819.html)
「安倍外交が「イスラム国」のテロを誘発した 孫崎享・元駐イラン大使に聞く」(http://toyokeizai.net/articles/-/59008)
◎ 2015年2月2日 (月) 最近のニュース
ロイター(1/31)「南シナ海の哨戒活動、自衛隊に期待=米第7艦隊司令官」に、安倍政権が軍事力を強化し、積極的に世界平和に貢献する方針である事と日本の高い防衛装備と訓練能力が、フィリピンの軍事力強化に貢献できるため、米海軍は、自衛隊による南シナ海の哨戒活動に期待しているとある。
29日には、日本がフィリピンと共同訓練と航空輸送能力強化で合意したそうだ。
米国は、世界の警察を辞めて、世界各国の同盟国にその役割を委譲して行く方針を打ち出している。
すると、アジアにおいて、自衛隊は米軍の代わりを務める事になるのだろう。
という事は、将来的には、米軍のアジアからの完全撤退もありうる。
米海兵隊のニューシャマン元大佐も自衛隊は従来任務から決別すると語っていたそうだ。
米国は、自衛隊が国軍になり、世界警察の一翼を担う事を望んでいる。
もちろん、世界警察とは、NATOの番犬になる事だが、日本はNATOに属していないから、NATOは守ってくれない。
しかし、考えようによっては、日本がNATO勢力から独立するための戦力を手に入れられる事にもなる。
それは、三島由紀夫が望んでいた事だ。
軍事的緊張は極力抑えるべきだから、米軍から軍備を徐々に減らし、その分、自衛隊の軍備を増やし、米軍がアジアから完全撤退した後で、自衛隊から国軍への移行の法整備をすべきだ。
その後は、日本軍が米軍の代わりにフィリピン・台湾・韓国・香港の防衛支援をする事になるだろう。
これらの国々が侵略される事は、アジアにおける資本主義勢力弱体化につながるからだ。
防衛費がかさむから、日本経済は現在よりも低迷するが、外交的自由を手に入れられる。
AFP(1/31)「イスラム過激派、ネットの危険性を知り 、ダークウェブへ」に、過激派がネットに発信した際に、身元がばれて、裁判の証拠にされているとある。
ネット接続では、送信元IPアドレスが受信先に送られるが、IPアドレスはユーザが設定で変える事ができるし、プロキシサーバを使って偽装もできる。
しかし、それでもばれるという事は、MACアドレスが送信されているのではないか。
MACアドレスは、LANケーブルの差し込み口や無線LAN装置(いわゆるNIC)に付けられている世界で一つしかない番号だから、IPアドレスが分からなくても送信元PCの特定ができる。
MACアドレスどころか、どんな情報がPCから知らぬ間に送信されているか分かったものではない。
これは、ウィルスではないから、ウィルス対策ソフトでは駆除できない。
大手メーカーのソフトでも信用はできない。
NHK(2/1)「外相 非軍事分野でテロとの闘いに貢献」で、岸田外相が、テロとの戦いと言っているのだが、イスラム国は、実質的には、シリアとイラクの反政府組織だ。
そのため、これは国内紛争だ。
テロの定義は、政治目的の暴力とされるから、紛争も含め、戦争の類は全てテロになる。
日本がテロと戦うと宣言するなら、日本は、外国の国内紛争にも積極的に参加する事になり、日本国憲法に違反する事になる。
日本政府や諸外国は、日本人2人がシリアで殺害されたのをテロと呼ぶが、2人は日本で殺害されたのでも日本から拉致されたのでもなく、外国で捕まって殺害されたのだから、これは、外国の国内刑事事件だ。
また、犯人の要求も日本の体制転換ではなく、日本の外国への関与だから、国内政治でもない。
つまり、事件的にも政治的にも外国の問題だ。
日本は、外国のテロに積極的に敵対しようとしている。
また、仏や独のイスラム国の人質は、解放されたのに、日本政府は、イスラム国からの連絡がないの一点張りだった。
仏や独の政府は、そんな言い訳はしなかった。
外相は、非軍事分野の貢献として、周辺国のテロ対処能力向上、テロ資金凍結、出入国管理を挙げているが、テロ対処能力向上は間接的軍事分野にはならないのか。
日・仏の過激派事件は、事件後に中東への積極関与の方向に進まなかったが、可能性があった。
ヘーゲル国防長官は、米地上軍の投入も言及したが、米国民も国内に過激派事件が起こらないように、あるいは、人が密集する所には近づかないように十分警戒すべきだ。
日本政府は、邦人が人質になった時に救出する部隊を組織すると言っていたが、大使館が占拠されたような場合なら救出は可能だが、イスラム国のような場合は潜入すらできないから不可能だ。
日本大使館占拠の場合は、自衛隊ではなく、日本国内の人質事件同様、警察機動隊から組織したので十分だ。
警察官を派遣するだけなら改憲は不要だ。
◎ 2015年2月2日 (月) 無差別殺人(1)
日本の無差別殺人は、非正規社員による大量殺人と人を殺してみたかったという快楽殺人に大別できる。
大量殺人犯は、自分だけ生活が成り立たないと考え、社会全体を恨んでいる。
快楽殺人は、加害者心理が全く不明だが、名古屋の事件では、加害者は無差別大量殺人に共感していたという事だから、心理的には無関係ではないかもしれない。
フランスのテロも非正規社員による犯行で、アイデンティティが確立できていなかったとされる。
人によっては、社会全体から攻撃されると疎外感を感じ、アイデンティティを確立できなくなる場合がある。
アイデンティティが確立できない状態とは、現在から未来にかけて社会に居場所を確立できる見込みがない状態の事である。
先ず、自分の思想があり、他方には社会通念があるが、両者が一致しない場合、自分は社会を受け容れないし、社会も自分を受け容れない。
この状態では、自分は宙に浮く事になり、社会の中に居場所を確立できない。
もちろん、相手を受け容れるには、相手がどんなものか予め知らなくてはならない。
つまり、社会と個人が互いに相手の思想を把握した上で、意思の疎通が可能で、個人が社会にストレスを感じない状態がアイデンティティが確立された状態である。
自分が実存主義で、社会が権力主義の場合は、互いに反発し合うが、自分と社会の思想の違いが認識できているなら、ある程度のアイデンティティの確立ができているため、何も問題はない。
アイデンティティの確立ができなかった彼らは、何も悪いことをしていない自分が社会全体から死の宣告を受けていると考えている。
こうした事件が多発するのは、そういう人々への理解が社会に足りないからだ。
失業しているから、非正規社員だからという理由で社会が迫害する文化は、無差別殺人社会を造り上げる要因になる。
犯罪に対する刑罰のみを裁判に求めるのであれば、また、社会が犯罪には刑罰が与えられるだけで十分だと考えるのであれば、永久に社会から無差別殺人は消えないだろう。
◎ 2015年2月8日 (日) 無差別殺人(2)
【金閣寺放火事件】
放火犯の林承賢は、小学生の頃は成績が優秀で、両親から優れた住職になってもらいたいと期待されていた。
父は寺の住職だった。
4歳で吃音になり、後に学校や寺でからかわれた。
中学生になり、級友との人間関係が上手く行かなくなり、成績も下がった。
相国寺の徒弟になってからも周囲に溶け込めず、脱走した事もある。
1950年の金閣寺放火の後、結核と精神分裂病と診断される。
うつ病が悪化し、能面の様に表情がなくなっていたとされる。
事件後、林の母は、投身自殺する。
【宮崎勤事件】
犯人の宮崎勤は、生まれつき、手首を回せない持病があり、幼稚園でからかわれ、それが大人になっても劣等感となっていた。
両親は共働きで、幼少の頃から祖父が面倒を看ていた。
父は新聞社を経営し、家庭は裕福だった。
小学生の頃は成績が良かったが、進学するにつれ下がっていった。
短大卒業後は、印刷会社で機械オペレーターをしたこともあったが、引きこもっていた。
祖父の死の3ヵ月後、4〜7歳の女児4人を殺害した(1988〜1989年)。
殺害後には、異常行動もあった。
殺害の度に、祖父復活の儀式を行った。
事件後に精神分裂病、または解離性同一性障害と診断される。
動物虐待もあった。
事件後、宮崎の父は投身自殺する。
宮崎の兄弟や親族も週刊誌に身元を暴露され、退職する。
【酒鬼薔薇事件】
犯人は、14歳の少年だった。
小学五年生の時、祖母が死去。その頃から、動物虐待が始まる。
中学生の時、他人の靴を燃やしたり、自転車のタイヤを切ったりしたことがあった。
粗暴で成績も悪かった。
表情が乏しかった。
1997年、小学生女児2人の殺人未遂と女児1人、男児1人の殺人事件を起こす。
男児の首は、中学校の正門に置かれていた。
事件後、解離傾向はあるが解離性同一性障害ではないと診断される。
また、自分の命も他人の命も軽視するとされる。
この事件は、殺人に快楽を覚える快楽殺人とされた。
医療少年院に送致される。
少年院では、「闘争と破壊こそ真の世界の姿」と言った。
犯人の両親は離婚した。
【附属池田小事件】
犯人の宅間守は、父からよく暴力を振るわれていた。
小学校では、いじめられたり、いじめたりしていた。
猫を燃やしたりしていた。
大阪教育大学附属池田中学校の受験で失敗した時、母から「お前なんか産まれてこなければ良かった」と言われる。
工業高校を中退後、職を転々とした。
暴行やレイプなどの犯罪も繰り返した。
精神病院にも通い、5階から飛び降りる自殺未遂もした。
精神分裂病と診断されていた。
34歳の時、7つ上の兄が自殺し、4度目の離婚をする。
2001年、37歳の時、大阪教育大学附属池田小学校を襲撃し、児童8人が死亡し、15人が重軽傷を負った。
自分の人生が成り立たないため、社会を恨み、犯行に及んだと供述している。
獄中日記では、宝くじで3億当たって、美人の嫁が買えたら犯行はしなかった。
自分は生まれて来たのが間違いで、自分がこうなったのは親のせいだと書いている。
【秋葉原通り魔事件】
犯人の加藤智大(ともひろ)は、小学生の頃は運動も勉強も良くできた。
母が、超スパルタ教育家で、進学校に通わされ、北海道大学にも進学させたかったが、学力が足らず、自動車の短大に進学した。
母も学生時代は同じ進学校に通い優秀だったが、父は多少だらしがなかった。
両親は、叱る時に理由を一切説明しなかったと犯人の弟は後に述べている。
弟は、テレビも見ず、携帯電話も持っていなかったため、クラスで浮いてしまい、高校を中退する。
兄も高校では似たような状況だったのではと弟は推測している。
短大卒業後は、職を転々とし、BBSやチャットに、はまった。
携帯サイトに『彼女がいれば、仕事を辞めることも、車を無くすことも、夜逃げすることも、携帯依存になることもなかった』と書いた。
2008年、25歳の時、秋葉原で、7人の殺人、10人の殺人未遂事件を起こす。
裁判の供述では、犯行に及んだ理由を『わたしのものの考え方。次が掲示板の嫌がらせ。最後に掲示板だけに依存していたわたしの生活のあり方』としている。
事件から6年後、マスコミに追われ、職を転々としていた弟が自殺する。
【柏市通り魔事件】
犯人の竹井聖寿は、ネットの自己紹介に、この世は理不尽と弱肉強食と運と頭脳で成り立っていると書いた。
小学生の頃から素行不良だった。
近所の猫を5、6匹殺すなど動物虐待をしていた。
酒鬼薔薇事件の犯人に共感していた。
チャットに、はまっていた。
フリーターとして働いたり、失業したりしていた。
親の仕送りで生活していた。
2014年、24歳の時、通りがかりの女性に声をかけたら逃げられ、続いて男性に切りつけ、別の男性を背後から複数個所刺して殺害し、更に別の男性から財布を奪って逃走した。
【佐世保高1殺人事件】
犯人は、16歳の女子生徒だった。
父は早大卒の弁護士、母は東大卒の元テレビ局員だった。
将来は、弁護士やアナウンサーになりたいと言っていた。
勉強が良くできて、スピードスケートで県大会や国体に出ていた。
小学生の時から小動物の虐待をしていた。
優しい面もあったが、すぐにキレて嫌がらせをする面もあった。
感情の起伏も激しいとされる。
6年生の時、同級生の給食に漂白剤を入れた。
中学では、祖母の死後、猫の目を抉り取るなど動物虐待がエスカレートした。
これらの行動について本人は全く反省する事が無かった。
2013年10月、実母が病死後、不登校になる。
2014年3月、就寝中の父をバットで殴り、殺人未遂する。
2014年5月、父が再婚。
事件の3日前に、猫より人間を殺す方が興奮すると継母に言った。
事件の1ヶ月前に精神科医、カウンセラー、児童相談所に相談したが、相手にされなかった。
2014年7月、同級生の女子生徒を殺害後、遺体を切断した。
警察では、「人を殺して解体してみたかった」「対象は誰でも良かった」と供述する。
事件の3ヶ月後、父が自殺する。
兄は、大学を退学した。
【名大女子大生殺人事件】
犯人は、19歳の女子大生だった。
両親は共働きだった。
子供の頃から、勉強が良くでき、ピアノの名手だった。
中学生の時、秋葉原通り魔事件に共感していた。
大学では応援団に入り、見た目が男のようだった。
ツイッターには、酒鬼薔薇や宮崎勤などの凶悪犯の名が多く書かれてあった。
2014年12月、宗教の勧誘をしていた77歳の女性を殺害した。
事件後、警察に「人を殺してみたかった」「宗教の勧誘が煩わしかった」「殺して達成感があった」「対象は誰でも良かった」「高校生の時に同級生に毒を飲ませた」と供述。
金閣寺放火事件は、殺人事件ではないのだが、養育環境が酷似しているため、入れた。
佐世保高1殺人事件で、精神科医が『人を殺しかねない少女がいる』と児相に相談したのは、精神科医には犯人が重症で手に負えなかったからと思われる。
今回は、無差別殺人の原因について、養育環境に注目する。
以上の8つの事件の中で、俺の養育環境に近いのが秋葉原通り魔事件だ。
犯人の両親は、叱る時に理由を一切説明しなかったと犯人の弟は言ったそうだが、それは、我が家でもそうだったし、近所の人々もどんなに嫌がらせをしても、その理由は一切説明しないから、一般常識であり、それを躾と呼ぶ。
人間も言葉の分からぬ犬同様に躾けられる。
ここまでスパルタではなかったが、我が家も似たような感じだった。
例えば、テレビ番組などは制限されていた。
ただし、俺の場合は、両親が勉強ができなかったため、自分の部屋にいれば勉強していると思い込んでいたらしく、あまり勉強はしなかった。
友人と遊びに行っても良かった。
俺と犯人の決定的な違いは、幼少から大学にかけて俺には常に数人の友人がいた事だ。
俺は、社会人になってからは、ほとんど引きこもりで、他人とのコミュニケーションは、たまに働く仕事だけだったが、BBSやチャットなどのネットコミュニケーションは、ほとんどした事がない。
ネットゲームは少しだけやったが、愛想が尽きた。
ほとんど全く他人との会話がないにも拘らず、ネットに嵌らないのは、もちろん、ネットの住人を軽蔑しているのもあるが、若い頃に十分コミュニケーションをとって来たからだ。
人間の本能として、子供の頃の他人とのコミュニケーションは精神の安定と発達のために、つまり、人格形成のために必ず必要だ。
これは、生態的なものであり、理由はない。
次に重要なのが、人生哲学だ。
自分の人生哲学を確立し、それと社会通念である権力主義を理解し、両者の考え方が違う事を日々忘れないように生きる事だ。
社会は権力主義で動いているから、それを理解すれば全ての社会現象は説明がつく。
これが、アイデンティティが確立された状態だ。
アイデンティティが確立されない場合も、精神は不安定になり、人格形成に支障が出る。
そのため、精神病は、精神医学やセラピーなどでは治せない。
これらの学問は、精神病か否かの判断にしか使えない。
精神病を治すために必要なのは、人生哲学だけである。
問題解決方法は提示したが、次に上に挙げた8つの事件の共通点を探す。
秋葉原通り魔事件以外は、俺には全く理解不能なため、学問的手法を使おうというわけだ。
全ての事件に共通しているのは、社会を恨んでいるということだ。
特に宮崎勤事件、附属池田小事件、秋葉原通り魔事件、柏市通り魔事件は、定職が無く、職を転々とし、将来の展望もなく、あからさまに社会を非難していた。
しかし、これだけでは理由として表面的過ぎるから、ここでは採り上げない
金閣寺放火事件と宮崎勤事件は、身体的ハンデが、他人とのコミュニケーションを躊躇させる要因の一つになっている。
しかし、他の事件では見られないため、副次的要因であり、無視して良い。
もちろん、異常犯罪者を作らないために、身体的ハンデを馬鹿にしないのが望ましい。
金閣寺放火事件、附属池田小事件、秋葉原通り魔事件、柏市通り魔事件は大量殺人で、宮崎勤事件、酒鬼薔薇事件、佐世保高1殺人事件、名大女子大生殺人事件は快楽殺人だ。
金閣寺放火事件、宮崎勤事件、秋葉原通り魔事件、佐世保高1殺人事件、名大女子大生殺人事件は犯人が成績優秀、酒鬼薔薇事件、附属池田小事件、柏市通り魔事件は幼少の頃から粗暴だった。
ただし、酒鬼薔薇事件は犯行声明が自己の能力を誇示していたし、附属池田小事件は中学生の頃、自分は頭が良いと言っていた。
宮崎勤事件、酒鬼薔薇事件、佐世保高1殺人事件は近親の死が、附属池田小事件は離婚が精神に大きなダメージを与えた。
金閣寺放火事件、宮崎勤事件、酒鬼薔薇事件、附属池田小事件、佐世保高1殺人事件は精神病の通院歴があるか、事件後、精神病と診断される。
他の事件もまともな精神状態ではなかっただろう。
佐世保高1殺人事件、名大女子大生殺人事件が感情の起伏が激しかったのも精神異常を示唆している。
宮崎勤事件、酒鬼薔薇事件、附属池田小事件、柏市通り魔事件、佐世保高1殺人事件は、事件前に動物虐待があった。
秋葉原通り魔事件は、動物虐待はなかったが、壁や物に八つ当たりしていた。
附属池田小事件は、強者からいじめられる苦痛を他の弱者をいじめる形の八つ当たりもしていた。
どれも物や弱者に自分の苦痛をぶつけることで気分を紛らわせていたのだろう。
これが徐々にエスカレートして犯行に及んだのではないか。
こうした行為は、危険信号と捉えるべきだろう。
酒鬼薔薇事件、柏市通り魔事件は、社会は弱肉強食だと言った。
附属池田小事件、名大女子大生殺人事件は自分が生まれて来た事に後悔していた。
附属池田小事件、秋葉原通り魔事件は彼女が欲しいと言った。
秋葉原通り魔事件、柏市通り魔事件は友人がいなくてネットコミュニケーションに嵌った。
宮崎勤事件、佐世保高1殺人事件、名大女子大生殺人事件は共働き、附属池田小事件は育児放棄だった。
無差別殺人は、大量殺人と快楽殺人に大別できるとしたが、多くの人々にとっては、社会への報復という点が明白なため、大量殺人の方が理解しやすいだろう。
しかし、共通点を色々と抽出してみると両者の間には、あまり違いがない事に気付く。
快楽殺人特有の傾向としては、近親の死が精神病を更に悪化させる事と犯人が少年、女などで腕力がない場合が多い事が挙げられる。
体力に自信がないから、大量殺人ができなかったのだ。
大量殺人も快楽殺人も自分よりも弱者を攻撃する傾向にあるが、快楽殺人は更に弱者に向かっているというわけだ。
酒鬼薔薇事件、柏市通り魔事件、佐世保高1殺人事件、名大女子大生殺人事件においては、社会が弱肉強食だから、それに対抗するために虚勢を張っている印象を受ける。
そのため、快楽殺人には、自分は恐い人間だという印象を周囲に与える目的も少しはあったかもしれない。
無差別殺人全体としては、強者に立ち向かえないため、募る精神的苦痛を無関係の弱者にぶつけるのだが、この苦痛が尋常ではないのだろう。
彼らは、自分達は何も悪い事はしていないのに社会から大変な苦痛を受けていると考えている。
彼らの精神的苦痛の原因を探る事が重要だ。
金閣寺放火事件、附属池田小事件、秋葉原通り魔事件は、親が教育熱心で子の有名進学校への入学を希望し、酒鬼薔薇事件の親はエリート社員で、宮崎勤事件は小学校での成績が良く、佐世保高1殺人事件、名大女子大生殺人事件も勉強が良くできた。
つまり、どの事件の親も非常に教育熱心だったという事が推察される。
彼らの親は、この資本主義社会は、弱肉強食であり、勝ち組と負け組に分かれると考えている。
自分や夫が負け組だったため、自分の子が勝ち組になって自分の生活を豊かにしてもらって世間を見返したいという希望が、彼女らを教育ママへと駆り立てたのだろう。
自分の親が、こんな価値観を持っていて、しかも自分が良い子で、そんな親の期待に応えたいと考えたらどうなるか。
友達と仲良く毎日遊び呆けるという子供時代の情操教育に最も必要な事をせずに、自分の部屋に籠もって勉強してしまうのではないか。
もし、クラスメートの親も自分の子供にせめて公立高校や国立大学くらいは行って家計を楽にしてもらいたいと考えていたとしたら、妬まれるだろう。
最近は、携帯電話などのチャットやBBSで常にコミュニケーションをとっていないと陰口を叩かれ、いじめの対象になってしまうという悪い形のコミュニケーションが常態化しているらしい。
これも日本社会に欧米の競争社会が導入された結果だ。
彼らは子供らしいコミュニケーションが取れなくなっているのだ。
健全な精神を獲得するには、情緒を育てる必要がある。
情緒が育つとは、神経が太くなって、物事に動じなくなる事だ。
長く安心感のある生活を送る事で情緒が育つ。
そのため、離婚や育児放棄などは、禁物だ。
コミュニケーションを取る事も安心感に繋がる。
人間は、家庭でも学校でも色々な場所でコミュニケーションを取れる事が望ましい。
どこかでコミュニケーションに失敗する可能性があるからだ。
子供は、弱い立場にあるため、本能的に守られたい欲求が強く、この欲求を満たすのは親の責務だ。
情緒未発達者は、精神抵抗力がないため、小さな事ですぐ挫けたり、怒ったり、泣いたりする。
それは、現代のようなストレス社会では致命的だ。
被害妄想が強くなり、威嚇行為も出るのではないか。
そんな状態で、勉強しろと言う家庭からもコミュニケーション不足のクラスメートからも孤立した子供は、祖父母だけが唯一の拠り所になり、それもなくなってしまうと精神崩壊が始まる。
子供時代にコミュニケーションが不足すると、大人になってからその埋め合わせのためにコミュニケーションを求めるようになり、ネット依存になる。
コミュニケーション欲求が強いから、孤立や孤独に人一倍、弱い。
母の言いなりになって勉強ばかりしていた子供は、他人とのコミュニケーションが足りないため、母との繋がりだけが全てになり、マザコンになる。
男は社会人になると男同士でベタベタし過ぎると世間からホモだと思われるから、彼女が欲しいと言い出す。
特に情緒未発達者は、その傾向が強い。
嫁に逃げられた男が嫁の両親を殺してしまうのはそのためだ。
裁判所の精神鑑定では、犯罪者達には他者への思いやりが欠けているとされるが、思いやりも他人からの思いやりを受ければこそ獲得できるのではないか。
以上の問題点が見られなくなったら、情緒が育ったとみなせるだろう。
人格形成に失敗した子供達は、大人になって精神病になるほどの大きな苦痛を感じ、無差別殺人事件を引き起こす。
その結果は、肉親の自殺や失業である。
これらの問題の根源が競争社会にある。
我々には、実存主義社会を造り、失業者も人並みの生活が送れる環境を構築する義務がある。
次に必要なのが、自己の人生哲学の構築と社会通念である権力主義の把握だ。
何でも無批判に受け入れてしまうなら、間違った事を皆で共有するはめになる。
そのため、自分の意見は、しっかり持つべきであり、その結果、社会通念と異なる考え方を持つ事もあるのだ。
人間は、社会で生きている以上、社会が如何なるものか理解する必要がある。
自己の哲学と社会通念の関係がしっかり把握できている状態が、アイデンティティが確立されている状態だ。
権力主義社会は、円滑なコミュニケーションを目指す社会ではないから、情緒が育った後は、そのギャップを埋める必要がある。
それで、アイデンティティの確立が必要になる。
子供時代にしっかり情緒安定の土台を造り、実存主義と権力主義を理解してアイデンティティを確立する事が、精神の安定に必要なのだ。
大人の情緒未発達者は、人生は競争ではないと価値観を変え、コミュニケーションを取る事を優先して、子供時代からやり直してはどうか。
彼らにとっても、衣食住に不自由しない安心感のある生活とコミュニケーションのためには、実存主義社会が必要だ。
精神修養は、その後だ。
情緒未発達は、発達障害ではない。
発達障害は、先天的な病気であり、養育環境はあまり影響しないからだ。
また、神経症でもない。
神経症は症状だが、情緒未発達は症状ではなく、成育環境が作りあげる精神環境だからだ。
これの処方は、薬などで神経を落ち着かせるのではなく、生存危機のない状態とストレスのない会話を長期間続ける事だ。
情緒未発達者は、神経症などの精神病にかかりやすくなる。
情緒未発達は、心理学では、愛着障害と呼ばれている。
愛着は、親に対してだけでなく、誰に対しても存在し、これが満たされない状態が幼児期から長期に渡って続くと心理的安定が形成されず、極端に臆病で情緒不安定で短気で注意力散漫で意思疎通下手で喜怒哀楽が激しく挫折しやすく自虐的で凶暴な性格の大人になる。
愛着とは、安心感や安全感の事である。
発達障害 - Wikipedia
愛着障害(こころの病気のはなし/専門編)(http://www.e-heartclinic.com/kokoro/senmon/attach01.html)
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金閣寺放火事件 - 現代社会の病理を衝く(http://plaza.rakuten.co.jp/keirinji02/diary/200711220000/)
金閣寺放火事件の動機(http://maizuruwalker.web.fc2.com/zatsugaku/047/index.htm)
宮崎勤 - Wikipedia
宮崎勤の家族、事件後の悲惨な末路… - NAVER まとめ
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酒鬼薔薇聖斗の深層心理(http://www.systemicsarchive.com/ja/a/sakakibara.html)
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附属池田小・児童殺傷事件(http://yabusaka.moo.jp/ikeda.htm)
宅間守の生い立ち【附属池田小事件】 - NAVER まとめ
秋葉原通り魔事件 - Wikipedia
加藤智大の生い立ち【秋葉原通り魔事件】 - NAVER まとめ
秋葉原殺傷事件 弟の告白 『週刊現代』 平成20年6月28日号(前編) 7月5日号(後編) - 来栖宥子★午後のアダージォ(http://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/f59215dad124e3aa7f17edc0397d9b6d)
犯人逮捕へ 千葉県・柏市連続通り魔事件 男性一人が死亡 - NAVER まとめ
佐世保女子高生殺害事件 - Wikipedia
佐世保女子高生殺害解剖事件!殺人鬼の人生壮絶過ぎる!! - NAVER まとめ
「ネコの目ん玉はコロコロしている」二面性ある少女Aに不安漏らした母親 - dot.(ドット)(http://dot.asahi.com/wa/2014080600061.html)
佐世保同級生殺害 容疑者自宅と中学間で3年に2件の猫殺し(http://www.news-postseven.com/archives/20140805_269483.html)
老女惨殺名古屋女子大生と佐世保同級生殺害少女に共通の過去(http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150202-00000000-pseven-soci)
名古屋大学理学部の女子大生-名古屋市昭和区の殺人事件 名大生 | ニュース速報Japan(http://breaking-news.jp/2015/01/27/016588)
名古屋大女子学生 秋葉原通り魔に「ゾクゾクする」 - dot.(ドット)〈http://dot.asahi.com/wa/2015020300089.html〉
名古屋大19歳女子 高校時代の「毒物事件」県には報告せず〈http://dot.asahi.com/wa/2015020300088.html〉
名大女子学生「女っぽい子だったのに」大学入学後に激変(http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150204-00010002-jisin-soci)
◎ 2015年2月16日 (月) 刑務所自殺
2月6日に千葉刑務所の40歳男性受刑者が、箸を両目に刺して自殺したそうだ。
普通に考えるとそんな手段で自殺するとは考えられないから、他殺ではないかと疑われる事もあると思われるのだが、重度の精神病者だと言われるとそんな事もあるのかと思わないでもない。
しかし、他殺の疑いが消えるわけでもないから、やはり、刑務所内の自殺は防止しなくてはならないし、できなければ刑務所の責任になるだろう。
刑務所では公的機関が合法的に殺人ができると国民に思われては、刑務所の存続にもかかわる。
2003年には、名古屋刑務所で刑務官による受刑者への暴行とそれに対する刑務所全体の隠蔽があった。
これと同じ自殺が同じ刑務所で2010年にもあった。
千葉刑務所には、初犯で刑期8年以上の男性受刑者が収容されているらしい。
2月10日には、大阪刑務所で40代男性受刑者が歯ブラシ2本を飲み込んで自殺した。
2011年には、笠松刑務所で40代女性受刑者が口に手袋、鼻に耳栓、首にタオルを巻きつけ自殺した。
2012年には、府中刑務所で60代男性受刑者がちり紙を口に詰めて自殺した。
2013年には、東京拘置所で40代男性受刑者が輪ゴムを首に巻き付けて自殺した。
刑務所で最も多い自殺手段は首吊りだが、これらの自殺者は、他殺でなければ精神病者だろう。
精神病者は、正気ではないから、自分が刑務所にいる理由すら理解していないだろう。
だとすると、収監は彼らにとって刑罰ではない。
精神病者は、刑務所から出して、入院させるべきだ。
これらの精神病者が、前に書いた無差別殺人者と似たような精神状態なら、それにふさわしい環境を用意すべきだ。
受刑者の自殺や無差別殺人犯は、全てPTSDだとする意見もあるのだが、無差別殺人犯の場合は、情緒が未発達であればこそ、PTSDにかかりやすかったのだろう。
PTSDであれ、愛着障害であれ、長期に渡る精神の静養が必要なのは同じだ。
近年は、刑務所自殺が急増しているから、早急に手を打つべきだ。
名古屋刑務所リンチ殺人事件(http://www.jrcl.net/frame03324d.html)
精神科医サイコドクターSブログ(http://ameblo.jp/phantom-nightmare/)
箸を目に…千葉刑務所の受刑者の自殺方法が怖すぎ - NAVER まとめ
◎ 2015年2月17日 (火) ヘイトスピーチと諷刺画
言論の自由と言うが、言論にはルールとタブーがある。
例えば、議題と関係の無い話や個人の中傷はしないとかだ。
これらは、研究者による論文発表や討論の長い歴史の中で出来た暗黙の了解だ。
ところが、ヘイトスピーチと諷刺画は、このルールとタブーを完全に無視しているのだ。
だから、これらに言論の自由は当てはまらない。
これらの発言者や作者は、一方的に攻撃するだけで、相手と論理のキャッチボールをした事がないから、どこまでなら言っても良いのかが分かっていないのだ。
最近、日本ではヘイトスピーチがあり、欧州や豪州などでは諷刺画を書いているが、これらの国々は、あちこちで戦争をしていたり、戦争機運が高まったりしている。
この事から分かるように、ヘイトスピーチや諷刺画は戦争に直結している。
戦争を回避したいのであれば、これらの行為は慎むべきだ。
これらの行為は、国民の品位と思考能力を低下させ、理性的な行動をできなくさせる。
国会などの議会でも野次が飛んだり、議題とは関係のない話で議会進行が頓挫するが、これも議会が言論の場ではないからだ。
議会を言論の場にするのであれば、多数決ではなく、論理を尽くして結論を出すべきだ。
ストレートに非難すると角が立つ所をジョークにする事で笑いに変え、衝突を避けられるとする意見もある。
しかし、オカルトめいた絵では、戯画にもならず、却って衝突を招く。
◎ 2015年2月18日 (水) 子育て方法の連鎖
読売新聞サイト「発言小町」の「妻の心を壊してしまった。どうしたらいいかわかりません。」に妻が子供に「それはダメ」「早くしなさい」と小言が多いため、「椅子は座るところだから降りなさい」「壁じゃなくてお絵かき帳に描きなさい」と言い換える様に提案しても、それができないらしいとある。
これとは別の話だが、親から暴力を振るわれて育った子供は、大人になって自分が子育てをする時も暴力を振るってしまうそうだ。
これらの事から、人間は、生態的に、自分が育てられたようにしか子育てができない仕組みになっているのでないか。
もし、そうなら、その家系では何代続いても同じ子育て上の問題を抱える事になる。
子育て方法が連鎖するなら、人格も連鎖するはずだ。
もし、間違った育てられ方をしたのであれば、それを代々、連鎖させないように気をつけるべきではないか。
この家庭の場合なら、奥さんは、あれはするな、これもするなと厳しく躾けられて育ったように見受けられる。
飯粒を溢したり、枕を外して寝たり、デザートを先に食べたりするのは許せないそうだ。
それに対し、旦那さんの方は、親から、してはならない理由を説明され、具体的にどうしたら良いかを教えられて育ったようで、あまり、厳しい躾は受けなかったようだ。
躾とは、理由も説明せずに体に覚えさせるもので、犬猫にトイレの仕方を教えるのと同じ要領だ。
彼と彼女では、親からの育てられ方が違っていたという事だろう。
人間は、生態的に、人から教えられたとおりにしか行動できないのだ。
彼女は、親から「壁じゃなくてお絵かき帳に描きなさい」と言われた事がないから、壁に描かない事はお絵かき帳に描く事につながらない。
彼女のような育てられ方をした人を叱ったり、咎めたりしてはならない。
子供の頃に散々、そのように親から言われ続けたせいか、そうされると大変なストレスを感じるらしく、イライラして、精神衛生上、良くないからだ。
彼女みたいな人は、世の中にいっぱいいるのだ。
だから、彼が「妻の心を壊してしまった」と言うのは、ある程度、正解だ。
できるなら、彼が彼女にもこういう時は、どうしたら良いか教えてあげればいいかもしれないが、長年の経験から身についた癖は、なかなか消えないから、そうはいかないだろう。
「2015年2月8日 (日) 無差別殺人(2)」の精神病は、人生は競争ではないから、脇目も振らず勉強してはならないという哲学を持つ事が治療に必要な事が分かる。
子育てにおいても、躾ける事は、その子の人格に損傷を与えるという哲学を持つ事が、立派な大人に育てるために必要だ。
このように社会に今一つ馴染めない人々は、精神安定剤ではなく、人生哲学によって治さなくてはならないのだ。
◎ 2015年2月23日 (月) PTSD、その他の精神病
「精神科医サイコドクターSブログ」(http://ameblo.jp/phantom-nightmare/)では、精神病の多くは、うつ病などに診断されるが、そのほとんどが、PTSDとされている。
彼は、うつ病は、解離性PTSDやフロイト型PTSD(=神経症)としている。
フロイト型PTSDとは、嫌な状況が長く続いた時などに、無意識に心身に拒絶反応が出てしまうヒステリーの類だろう。
解離性障害も嫌な状況が長く続く時に、無意識的な拒絶、あるいは意識的逃避によって記憶が飛んでしまう症状であるため、ヒステリーの一形態だろう。
そのため、彼にとってのPTSDとは、ヒステリーの類だろう。
精神的ストレスから無意識に何度も手を洗ってしまう強迫性障害もヒステリーの一形態だろう。
自分に合わない生活環境がストレスになって、うつ病などになってしまう適応障害もヒステリーの一形態だろう。
原因が無自覚になるのは、それを嫌がっているのを自分の価値観が拒絶するためだ。
例えば、ある少年が、泣きたいのに男の子は泣かないものだと考えているため、それが無意識に心身に現れる。
泣きたい自分の弱い心理を認めたくないから、その感情が解離によって忘れ去られ、本人はその感情に気付けないから、その不快な感情が解消されることなく、精神の奥底に蓄積し、暴発するのだ。
この少年は、ヒステリーの原因が、自己の「男は泣かない」という哲学にある事に気付き、その哲学を捨てるなり、修正するなりする必要がある。
ヒステリーは、神経症の一形態だ。
PTSDには、戦争や事故などによる急性のものと虐待などによる慢性のものがあるとされている。
どちらも、恐怖などが精神に大きなストレスになり、心身に異常を来たす。
PTSDでも症状が短期で治るものは、ASDと呼ばれる。
PTSDは、戦争や事故や虐待など自分で原因を特定できるストレス障害と考えられるから、自覚的ヒステリーと言えるだろう。
そのため、ヒステリーは原因が無自覚的な、PTSDは自覚的な精神的ストレス障害で基本的に同じものだ。
自律神経失調症は、ヒステリーやPTSDの症状の一つだ。
アルコール依存症やノイローゼも適応障害の症状の一つだろう。
発達障害や統合失調症(=精神分裂病)、双極性障害(=躁うつ病)は、先天的要素が強いから、ヒステリーやPTSDとは、別の病気だ。
ただし、無関係とも言い切れない。
統合失調症の原因は、遺伝が6割とされている。
既に説明したが、愛着障害は、養育問題であり、ヒステリー、PTSD、パーソナリティ障害を引き起こし易くする。
「アダルトチルドレンと愛着障害」(http://www.officet-hc.com/ac/kowai.html)によれば、愛着障害者は、アダルトチルドレン(AC)になりやすい。
「アダルトチルドレン - Wikipedia」には、『条件付きの愛情』は、周囲や親に無理に自分を合わせる良い子を作るとある。
これを心理学では、過剰適応と呼ぶ。
過剰適応者は、親とは仲良くなるが、周囲との調和が取れない。
あるいは、親や周囲とは調和が取れるが、外国人とは調和が取れなかったり、自分自身への無理が祟って心身に異常を来たす。
無差別殺人者にも過剰適応の傾向があった。
これを回避するには、親は子に無条件の愛情を注がなくてはならない。
また、子は、親や周囲だけでなく、それより大きな社会や自分自身とのバランスも考えられるようになるべきだ。
そうすると、必然的に八方美人になり、実存主義者にならざるを得ない。
しかし、八方美人と言っても、実存主義者は、権力主義者とは馬が合わないだろう。
愛着障害と過剰適応でACになるのが、恋愛と見合いと政略の各結婚方式では、どれが多いか誰か調べないか。
これも既に説明したが、自己同一性は、哲学的問題だ。
解離性同一性障害(=多重人格障害)は、解離性障害が悪化したものだから、ヒステリーだ。
◎ 2015年2月25日 (水) 教育
「日本の歴史10 明治維新」 読売新聞社
日本に学制が布かれたのは、明治五年(1872)で、義務教育だった。
同年に発行された福沢諭吉の「学問のすすめ」には、貧富の差は学問の有無によって決まり、個人が独立する事が一国の独立の元であり、独立心の無い者は、外国人に接する時も自分の意思を伝えられないとある。
この本は、国民の10人に1人が読んだとされているが、当時の就学率は、4割弱だった。
原因は、学費が高かったのと学校運営のための増税が厳しかったのと農家が貴重な働き手を8年間も学校に奪われるのを拒んだためだ。
しかし、現在では、教育の有無が貧富の差になる事は、日本国民なら誰でも知っているため、成人識字率は99%に達している。
そのため、先進国では、子供の就労は、搾取と認識されている。
しかし、発展途上国では、親にその認識がないため、現在でも子供が学校に行かずに工場で働かされたりしている。
江戸時代までは、学問を出来たのは武士だけだったが、学制には、四民平等の意味もあった。
建前としては、学問によって立身すれば、身分や性別が関係なくなったのだ。
しかし、その後、政府の意向により、個人の立身から富国強兵により世界に国威を輝かせるためへと目的が変わっていった。
現在では、資本主義による競争社会が、学歴競争を生み、子供の精神に大きな悪影響を与えている。
戦時中には、教育が戦争に利用された。
義務教育には、利点と欠点があるのだ。