◎ 2011年3月10日 (木) 秘密を持たない事
秘密を持つと、それが弱点になり、そこを狙われる事になる。
そのため、秘密を極力持たないようにする事が、より防御性の高い人生を送るために必要である。
具体的な対策としては、秘密を持たないように気をつけることと、自分の秘密を公言することである。
しかし、これらは、権力主義者には絶対に不可能である。
権力には、集団で悪い事をしなければ集団を維持できないという性質があるからである。
陰謀や悪事は、当然、秘密にした方が良いに決まっている。
だから、秘密を持たない人生を送るためには、少なくとも実存主義者である必要がある。
◎ 2011年3月10日 (木) 孤立する事と実存哲学を身につける事
仲間は、いつか必ず裏切る日が来るだろう。
人間は、裏切られた時に最も損害を受ける。
だから、孤立する事が、より防御性の高い人生を送るために必要である。
しかし、孤立したら集団に襲われたら、ひとたまりも無いと考えるだろう。
実存哲学(すなわち老子の思想)が、自分のものとなれば、実存の神が守ってくれるから大丈夫と思うようになる。
神が守ってくれなければ、死ねば良い。
実存の神とは理性(大道)の事である。
他にも、いろいろあるかとは思うが、このへんでやめておく。
こんな事を、あまり書き過ぎると、逆に世知辛い世の中になりそうだからである。
◎ 2011年3月15日 (火) ロマンチスト
森鴎外の文学は、脚色があるにしても、基本的に現実的である。
「舞姫」の太田豊太郎はエリスに、ドストエフスキー著「悪霊」のニコライ・スタヴローギンはマリヤに失望した。
実存主義者の男は、一般人の目線ではロマンチストである。
くれぐれも、豊太郎やニコライのように空想と現実を一緒にしない事。
しかし、俺は、彼らを変わり者だともロマンチストだとも思っていない。
慎重さに欠けているだけに思われる。
◎ 2011年3月15日 (火) 原発の廃止
3月11日に発生した東日本大震災だが、津波による被害も甚大だが、原子力発電所も被害を受けた。
新聞によると、今日の朝、東京電力福島第一原発で毎時400ミリ・シーベルトの放射線を観測したらしい。
1ミリ・シーベルトが公衆の年間被爆限度で、100ミリ・シーベルトの放射線を浴びると、がんになる人が増加するらしいので大事故である。
過去には東海村の臨界事故もあったし、高速増殖炉もんじゅなどの機器破損もあった。
これらの事故を検討するならば、明らかに日本は原発を全廃すべきである。
◎ 2011年3月16日 (水) テレビ
テレビで番組で、京大教授が、「中性子が観測されたのは間違いでしょう」と平然と言ってのけたのには呆れた。
というのも、この人は「自分は現場とは無関係だ」と言っていたからである。
素人でも、すぐに分かるようなデタラメを言えば、不信感と危機感を煽るのは誰でも想像がつく。
テレビ番組は、全般的にこんな感じで、こいつらは当事者達の不安を増加させてどうするつもりかと思う。
どうでも良い事だが、テレビやインターネットで、みんなで節電しようと呼びかけているのだが、これは、どちらかと言えば関東地方の問題であって、大きな被害のあった地域とはあまり関係ない。
関東地方で大いに節電をするのは結構だが、それで大きな被害のあった地域の役に立っていると考えるのは、少し違うだろう。
もちろん、関東地方が混乱すれば、東北地方も復興が遅れる事になるから間接的には役に立っているかもしれない。
妙に恩着せがましく感じたわけである。
関東地方でも物が不足しているらしいが、東海地震が騒がれて久しい間に、阪神大震災と東日本大震災が発生したから、当然の成り行きに思われる。
東海地震が、今すぐに来るとは限らないが、心理的には仕方ないように思われる。
耐震設計と防火設計が完璧でも、太平洋側の地震では津波対策が重要である事が、今回の地震で発覚した。
東海地震が来ない間に遷都した方が良いんじゃないの?
被災地のあるホームセンターが、無料で灯油を配布していた。
経営者の許可をもらっていないそうである。
普通に考えると、背任罪で訴えられるのではないかと思った。
被災者のために善意で行ったわけであるから、太宰治の「燈篭」みたいだと思った。
災害のために集まった義援金をこのホームセンターにも渡してもらいたいものである。
◎ 2011年3月17日 (木) 福島第一原発の事故のメカニズム
原子炉格納容器内に水が入らないのは、水蒸気の圧力が邪魔しているからとテレビでは説明しているが、水蒸気の逃げ道となる管はあるらしい。
本当は誰も真相を突き止めていないのではないか。
◎ 2011年3月17日 (木) 原子力の基礎知識
原子爆弾・・・ウラン235・プルトニウム239などに核分裂反応を爆発的に行わせたとき発生する熱線・衝撃波・各種放射線で殺傷・破壊する爆弾。1945年8月にウランを用いたものが広島に、プルトニウムを用いたものが長崎に投下され、大惨害をもたらした。略称、原爆。
水素爆弾・・・核融合反応を応用した爆弾。原子爆弾を起爆剤にして重水素・三重水素・リチウムなどの融合反応を起させる。大量の中性子線を放出する。略称、水爆。
現代用語の基礎知識2002
原子核反応・・・元素(原子核)が破壊されて異なった元素になる。このとき質量が変化する。変化量に対応したエネルギーが放出される。核融合と核分裂がある。
核分裂・・・1つの原子核が2つの小さな原子核に割れること。重い原子核ほど分裂しやすい。だから最も重いウランの原子核が原子炉の燃料に選ばれた。ウランの原子核が1個分裂すると平均2.5個の中性子が誕生する。この中性子が別の原子核に衝突し、その原子核を分裂させ、ねずみ算式に核分裂が広がっていく状態を連鎖反応と呼ぶ。
制御棒・・・中性子を吸収するカドミウム・ホウ素・ガドリニウムなどで作られた棒。制御棒を燃料体の中に出し入れすることで、炉心の中性子量を加減し、炉の出力を加減(制御)する。
燃料棒・・・ウラン燃料を被覆管(軽水型発電炉の場合、ジルカロイ被覆)で包んだ棒状の核燃料。原子力発電所では、燃料棒を50〜230本ほど束ねた燃料集合体として出し入れする。
核融合・・・水素や重水素、三重水素のような小さな原子核が2つ衝突して1つの重い原子核に変わること。そのときエネルギーが熱となって放出される。
軽水・・・普通の水のこと。重水に対比させてこう呼んでいる。軽水炉では、軽水が中性子を減速して連鎖反応を促進し、熱除去の冷却材の役をする。水が失われると連鎖反応は止まるが、熱は除去されないのでたまり、炉心の温度が上がりすぎると炉心溶融につながる。炉内に水があれば安全である。
炉心溶融・・・原子炉の温度が上昇しすぎると燃料が溶融する。1979年のアメリカ・スリーマイル島原発事故では冷却水の注入を止めたため、空だき状態となって炉心溶融が起きた。
ECCS(緊急用炉心冷却システム)・・・軽水型発電用原子炉に用いられる、事故時の炉心冷却装置。冷却水の喪失などが起きると炉を緊急停止させるが、その後も炉内の温度上昇は続くため、炉心に外から冷却水を大量に流し込んで冷やす。
つまり、核分裂は、原爆や原発で使われていて、核融合は、水爆で使われたり太陽内部で発生している現象である。
水爆の核融合には、核分裂熱が最初に使われるが、連鎖反応が必要なため少量の水素では発生しない。
原発の核分裂には、中性子が必要だが、中性子の移動速度を落とさないと反応が起き難いので、燃料棒の周囲を水で満たして中性子の速度を落とす。
核分裂を止めるには、制御棒を使って中性子を除去する。
現在は、中性子を除去し終わっていて、熱だけが残っているから、水を満たしても核分裂は発生しないということだろう。
今日、電源工事をして動かそうとしているECCSは原子炉に大量に水を放出して冷却するための装置らしい。
水には、核分裂を促す・水蒸気を発生させてタービンを回す・原子炉を冷却するという3つの役割があるのだろう。
テレビにも、こんな説明を求める。
◎ 2011年3月18日 (金) 精製済み燃料の輸入
G7が円高是正の協調介入を決めたそうだが、間抜けな事である。
せっかくの円高なのだから、国内で石油から精製するのではなく、軽油、灯油、ガソリンを外国から購入すれば良かったのである。
急を要するのであるから、賢明な判断をすべきである。
◎ 2011年3月19日 (土) 福島第一原発事故
NHKで、東工大の教授が打つ手が無いと言っていた。
また、国際原子力事象評価尺度において、事故の深刻度をスリーマイル原発事故と同じレベル5に暫定評価することも決まった。
テレビでは、有名国立大学の教授が連日、素人でもはっきり分かるようないいかげんな発言を繰り返している。
例えば、昨夜、東大大学院教授は、炉内は緊急停止直後は80%の熱量を持っているが、現在は一週間経ったから0.5%の熱量になっていると言っていたが、もしそのとおりならば、水蒸気があまり発生しないため、ECCSを復旧しなくても従来どおりの消防車のポンプだけですぐに格納容器の水は満たされるはずであるが、そんな発表は無い。
韓国に、ホウ酸を送ってもらったそうだが、まさかホウ素を精製するつもりではと考えたりもする。
とりあえず、政府には中性子の観測結果を公表してもらいたい。
仮に多少検出されても制御棒があるから、核分裂が発生する心配はないとは思うが。
17日に、ECCSの送電工事を始めたそうだが、まだ全く工事が終わる気配が無い。
報道では、その日のうちのECCS稼動を目指していたはずである。
そもそも、緊急事態なのだから、あらゆる手を最初から打たねばならないのを17日まで先延ばしにしたこと自体が怪しい。
事故現場から30キロメートル離れた地点でも百数十マイクロ・シーベルトの放射線量が観測された。
チェルノブイリ原発事故では、周囲数十キロにわたり放射線で汚染されたらしいから、最悪の事態を想定して、近くの住人を100キロメートル以上退避させるべきである。
作業員にも無理をさせないで、無理そうならば諦めることも肝心である。
建屋は、後でロボットにでもセメントで塗り固めてもらえば良い。
そんなロボットは作れないという場合は、お手上げ。
◎ 2011年3月20日 (日) 福島第一原発事故(2)
昨日から今日まで13時間、3号機の使用済み燃料プールに1分間に3トンの放水をしたそうだが、万一、燃料の被覆に穴が開いていたら、プールから水が溢れた時に危険ではないだろうか?
それとも、溢れないような量しか放水していないのか?
読売新聞のサイト
『19日早朝には、輸送ヘリで上空から原子炉の表面温度を測定。北沢防衛相は記者会見で、暫定的な測定結果として、1〜4号機の表面温度が100度以下だったとし、「(温度は)思ったより安定しており、低い。水を投入した効果が上がっているのではないか」と述べた。』
東大大学院教授の言うように、原子炉内の温度は極めて低いらしい。
しかし、水があまり蒸発しないのに何故、格納容器内の水量は、増えないのか?
蒸発しないから蒸気圧も無いはずであるから、水量が増えない理由は何も無い。
もはや、この奇怪な現象を説明できる人間は世界中に一人もいないだろう。
一番考えられるのは、最初から消防ポンプで水を注入していなかったという事になると思うが、それなら、高温だったときに全ての原子炉がメルトダウンしているに違いない。
やはり、この現象を説明する事は誰にも不可能である。
あるいは、格納容器の表面温度だけが低く、内部は極めて高温なのかもしれない。
それだったら、教授はやはり間違えていた事になるし、防衛相は嘘を発表した事になる。
『東京電力は19日午後7時頃から広報担当者が記者会見し、「福島第一原発1号機から3号機については炉心を冷却するための海水の注入が続いている」として、炉心が冷却された状態であるとの見方を示した。』
これは、『炉心が冷却された状態』ではなく、「炉心を冷却中」である。
命に関わる深刻な問題で、小学生でもやらないような表現の間違いをしないでもらいたい。
見出しは「1〜3号機、炉心は冷却状態…東電会見」となっており、内容を読まなかったら明らかに誤解を招く。
『厚労省が定める作業員の緊急作業時の被曝(ひばく)限度量は、これまで100ミリ・シーベルトだったが、今回の事故に限り、250ミリ・シーベルトに引き上げられており、限度の中に収まっている。』
法律を改正するだけで、人間の健康が保たれるなら安いものである。
俺には、誰も彼もが原発事故に関してデマを流しているとしか思えない。
俺は、作業員がトップのミスの尻拭いをする事に、また国難に命を懸ける事に誇りを持っていたとしても、彼らが犠牲になるのを非難する。
そのような事は作業員の自己満足に過ぎず、博愛の実存哲学に反するからである。
事故現場周辺の住民についても同様である。
俺は、このような(ハリウッド映画にもなったらしいが)忠臣蔵を、またディープインパクトを、つまり権力主義を認めない。